近年、日本国内でもムスリム(イスラム教徒)の方々を見かける機会が増えてきました。そんな中で注目されているのが、彼らのファッションスタイルです。「信仰を守りながら、自分らしくおしゃれを楽しみたい」──そんなムスリム女性たちの願いから、ムスリムファッションは世界的に大きく進化しています。

■ ヒジャーブはアイデンティティの象徴

イスラム教徒の女性にとって、ヒジャーブ(頭や髪を覆う布)は信仰の象徴であると同時に、自己表現のひとつでもあります。最近では、色や素材にバリエーションが増え、TPOに合わせて楽しめるアイテムとしての側面も強くなっています。

カジュアルなストリート系から、上品なフォーマルスタイルまで、ヒジャーブもコーディネートの一部。特にインフルエンサーたちがSNSで発信する着こなしは、多くのムスリム女性にとって参考になっています。

■ 肌の露出を控えたスタイリング

イスラム教では、男女を問わず肌の露出を避けることが求められます。そこで重要になるのが、シルエットや素材の選び方。ゆったりとしたチュニックやマキシスカート、ロングワンピースなどは、動きやすさと涼しさを兼ね備えたアイテムとして人気です。

特に夏は通気性が高く、肌に張り付かない素材が重宝されます。コットンやリネン素材は必需品。日焼けや熱中症対策として、帽子やアームカバーなどの活用も工夫のひとつです。

■ モダンと伝統の融合

最近では「モダスト・ファッション(Modest Fashion)」として、イスラム教の価値観に寄り添ったファッションが、宗教に関係なく多くの人々に支持されています。ユニクロやZARAなどの大手ブランドも、オーバーサイズやロング丈のアイテムを多く展開し、ムスリム層にとっても選択肢が広がっています。

また、日本国内でもムスリム対応のファッションブランドが登場しており、自分のスタイルと信仰を両立できる時代になってきました。

■ 男性ムスリムの服装

男性に関しても、短パンなど脚の露出は控える傾向があります。長袖シャツや薄手のカーディガンなどで体を覆いながらも、清涼感ある素材を選ぶことで、快適な装いを楽しんでいます。


まとめ:
イスラム教徒のファッションは「我慢するもの」ではなく、「工夫して楽しむもの」へと変化しています。信仰と共に歩むスタイルは、慎みと美しさを備えた独自の文化。今後、日本でもその価値がますます理解されていくことでしょう。